あさぬま塾@福岡市東区美和台

福岡市の小さな塾+オンライン家庭教師の日記

【アヘン戦争】最近の香港と中国のバトルはなぜ??

「香港独立の旗を持っていた市民が逮捕された。」

こんなニュースを耳にしたことはありますか?

 

中国共産党が施行した「香港国家安全法」による取り締まりです。とてつもなくシビアな法律ですね。

 

さて皆さん、これ「酷いな〜」程度で聞き流してませんか?

 

それはもったいない!

実は歴史で習う内容とすごく関係あるんです!なぜこんな出来事に至ったのか、理由を知る術が教科書にのっています。

 

・なんで中国の都市の一つである香港が独立を叫んでいるのか?

これを考えていきましょう。

 

目次

 

 

香港は中国のものではなかった?

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最初は、「香港が独立を求めるきっかけとなる出来事は何か」に注目します。

歴史の教科書を振り返ってみてください。現代から近い出来事で、香港が登場するのはいつでしょう?

 

 

そう、香港返還(1997年)がありましたね!

 

・・なにそれ?

って思った人、確かに目立たないけどさらっと教科書に書いています!!

長年香港を支配したイギリスは、中国に返還したんです。

 

では、そもそもなぜイギリスが香港を支配していたのか?

 

こんな風に疑問は連鎖します笑。そうやって歴史をさかのぼってつなげていきましょう!

もちろん、その原因も教科書に書いてあります。

ヒントは戦争。他国の領地を支配するきっかけは、常に戦争が関わってきます。19世紀、イギリスと中国の間で何か大きな出来事がありませんでしたか??

 

 

そう。1840年のアヘン戦争です。

 

アヘン戦争のアヘンとは 

このアヘン戦争、その名前だけ丸暗記して覚えている人が多いんじゃないでしょうか。

大変もったいないです!!!

 

まさにこの戦争が、現代の香港と中国の問題のスタートと言っても過言ではない。

それほどに戦争というのは長らく影響を与えるものなんです。

 

まずは前提知識として。

アヘンって言うのは、ケシの実の果汁を乾燥させた麻薬の一種です。

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麻薬は植物を加工して生まれるものが多いです。

植物自体は無害でも、こうして使い方一つでとんでもない薬品に変わったりします。

 

そんなアヘン、なぜこの戦争の名前の由来なのかというと、これまた酷い話が出てくるんです!

実は当時、清(当時の中国)ではアヘンが大流行していました。

 

なぜか?

 

これまたイギリスの仕業です。イギリスはアヘンを貿易材料として清に垂れ流しました。もともと、イギリスは清からお茶とかを銀で買っていたのですが、銀が足りなくなり、その代役としてアヘンを使用したのです!アヘンはイギリスの支配下のインドで作らせました。

 

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このアヘンが意外と使えてしまうんです。一度相手を中毒にさせれば、麻薬は中毒者にとって貴重品になります。そういう外道な戦略で、イギリスは清との貿易で利益を上げました。

これこそが、あの有名な三角貿易です!!

 

 

アヘンを取り締まった清の末路

アヘン中毒者が増え、さすがに清も取り締まりをはじめました。

アヘンの密輸を禁止し、アヘン廃棄、さらにはイギリスとの貿易も停止。そりゃそうですよね。こんな麻薬が国に流れてくる貿易なんて困ります。

 

しかし、イギリスは逆ギレします。清の対応を理由にイギリスが戦争をしかけ、清をボコボコにしました。結果、中国の領地を一部イギリスが奪い取りました(1842年:南京条約)。

その領地に香港が含まれていたんです!!!

 

これがアヘン戦争の大まかな流れです。なんとも酷い話ですね。

 

当時はこんな風に、列強がなんとか理由をこじつけて戦争を仕掛けることが多く、まさに自己中の極みのような侵略が横行していました。

それは日本も例外ではありません。理不尽な条約を結ばされたり、結ばせたり。被害者でも加害者でもあります。

 

 

そして現代に話を戻しましょう!

 

 

香港の返還と今

国際協調が叫ばれる現代になり、イギリスは戦争で奪った香港を中国に返還することになりました。

 

一瞬、良い話にも聞こえるのですが、よくよく考えると困ったことになります。なぜなら、香港はすっかりギリスによって発展していたからです。

中国からしたら自分の領地を返してもらうのは当たり前です。しかし、肝心の香港市民は、イギリスから中国共産党の支配に変わるのは不安が大きいのです。一斉に海外へ移住して逃げる人も増えました笑。

 

そこで中国政府は、香港は中国に属するものの、一定レベルの自治を約束しました(一国二制度)。

しかし今、中国共産党は情報管理を徹底し、香港市民の言論統制やデモの鎮圧を徹底しています。

「一国二制度なんて嘘じゃねーか!!」

ということで香港市民が抗議しているというわけです。

 

中国ではYouTubeやLINEは使えません。中国政府の監視ができるように、情報媒体も決められているのです。政府に文句を言おうものなら、すぐに捕まってしまいます。

香港の人たちは、こういった統制に異議を唱えているんですね。これは大変な戦いです。

 

確かにイギリスが支配したという理不尽な経緯もありますが、果たして元通り中国に返すことは香港の人たちにとって幸せだったのでしょうか。かといって、イギリスが戦争で奪った領地を返さないというのもいかがなものか・・・

色々考えさせられる事件です。

 

皆さんはこの香港問題を聞いて、何を思いますか?

中国は明らかに理不尽なことをしていますが、歴史では被害者とも言えます。

もし香港がイギリスに奪われていなかったら、こんな風にトラブルにならなかったのか?

トラブルにならなかったとしても、果たして中国の支配下は香港市民にとって幸せなことなのか?

 

ニュースと歴史を重ねて考えてみましょう。

それでは。