予備校で世界史の講座を取っていた浪人時代。
その先生がとても分かりやすく詳しく教えてくれるので、とても授業が楽しかったです。ただ、時々引っかかる話がありました。
「池上彰の解説は分かりやすいんだけどね、うん。分かりやすいんだけど・・」
なんていうセリフが何度か飛び出したのです。当時の僕は、先生がどういう意図で話しているのか全く分かりませんでした。
「ああ、この人は池上彰みたいに著名になりたいんだ。だから彼にちょっと嫉妬してるんだな。」なんて片付けていました笑。池上彰といえばテレビで有名な政治解説系のタレント。当時受験生だった僕でさえ、彼の名前は聞いたことがあります。軽くテレビを見たときも、なんだか楽しく分かりやすく政治を解説してくれているような記憶がありました。
・・・そして大学生活、社会人生活を経た今。やっと先生の言ってる意味が分かりました。歴史・政治を分かりやすく解説しているとしても、それが正しいかどうかは全く別問題ということです。
池上彰の解説は確かに分かりやすい。ただし、彼がどういう立場なのかということが問題です。彼は一般メディアに出る以上、中立ということを前提として解説しています。
・・・が、実際は明確に政治的立場が存在します。
例えば、某番組にてアメリカの選挙戦の解説がありました。そこで、トランプvsバイデンについて取り上げた彼はこう言いました。
「バイデン氏は人権問題に非常に関心がある。中国による、ウイグル自治区での弾圧や香港の民主化を訴える人の逮捕といった出来事を問題視しています。対して、トランプ氏はこう言った問題について何も触れてこなかった。」
これ、少しでも真っ当なニュースを取り入れていたらすぐにわかるのですが、嘘です。トランプ氏は元よりこれらの問題についても中国を批判し、制裁も行っています。
池上彰はこの事実を誤認していた?いいえ、大の大人がそんな都合よく事実を間違えるはずがありません。政治的意図があって、つまりはバイデンを推すために先のような解説をしたのです。あるいはそういう意図を持ったテレビ局の台本に従っているのか。
この発言に限らず、虚偽または誤解を招く彼の発言は多々あります。今はインターネットが流行ってすぐに裏を取れますが、テレビ番組での解説には要注意です。
きっと世界史の先生は、多くの生徒の前で関係のない政治の話をすることが悪影響と判断し、池上彰を批判することも避けたのでしょう。思想の押し付けはできません。
今回は池上彰氏を取り上げましたが、彼に限らず、誰しもが政治的立場を持つことは当然です。ですが、虚偽の情報を流すことは絶対にいけません。(かくいう僕もブログで誤ったことを発信しないよう注意しないといけませんが笑)
僕らは情報を受け取る時、特に政治や歴史の情報を受け取る時、以下の2点に注意しないといけません。
・発信者の言ってることが事実かどうか
・発信者がどういう政治的立場にあるのか
これらを見分けるにはどうすれば良いのか。
必ず、自分で情報を集めて考えることです。
ありきたりかもしれませんが、これしかありません!一人の人間の意見を盲信しないで、複数の立場から物事を見てみましょう。
特に政治は、主張者によって大きく見え方が変わります。そんな時、誰のどの主張が正しいかを判断する方法として役立つものが、歴史(史実)です。出来事時代は資料が有る限り嘘をつけません。政治で嘘を付いている人間はそこでバレます。(もちろん、歴史も立場によって見え方が大きく変わったりしますが。)
それでは。