あさぬま塾@福岡市東区美和台

福岡市の小さな塾+オンライン家庭教師の日記

【倍数と集合】区別できる部分と、重複する部分を見つける~後編~

前回の記事はこちら

numastudy.hatenablog.com

 

では、続きを解きましょう!

 

 【問題】

Nを整数とします。1からNまでの整数のうち、3の倍数の個数をA、4の倍数の個数をB、3の倍数でも4の倍数でもない数の個数をCとします。
(1)Nが50のとき、A、B、Cをそれぞれ求めなさい。
(2)Cが12となるようなNをすべて求めなさい。
(3)Nを1から250までの整数とします。NがCの2倍となるようなNは何個ありますか。
(4)AとBの差が15となるようなNは何個ありますか。また、これらの数のうち、最も小さい数と最も大きい数をそれぞれ求めなさい。

 

後編の本記事では、(3)(4)について解説します!

 

(3)

 前回使ったの表をもう一度見直してみましょう。

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ところどころで、NがCの2倍(N=2C)となる場面がありますね!

N=12や18、24の時などがそうです。

 

・・・あれ?ということは、Nが大きくなろうがN=2Cの状態は度々起きるんじゃないでしょうか??

 

でもNが250なので、全部を書き出すなんて不可能でしょう。というわけで、何か規則があると睨んで考えていきましょう!

 

・A:3の倍数の個数

・B:4の倍数の個数

・D:12の倍数の個数

・C=Nー(A+B)+D

の順に表に書いてみます。

 

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こうしてN=12まで書いてみると、一定のリズムでA、B、Dが増えていることが分かります!

これは、Dが12の倍数という点に着目して、12ごとに区切った結果です!3と4の公倍数が12ということもあり、AとBも一定のペースで増えていきます。

 

さあ、N=13〜24、も見てみましょう!

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Nが12増えるごとに、N=2CとなるN(赤スター)は5個増えていきます。

 

これで答えまでグッと近づきました!

さて、250までの間に、この12区切りは何回登場するでしょうか?

250÷12=20余り10

より、

20回登場します!ということは、20×5=100

で、まずは100個ありますね。

 

ただし、まだ終わりではありません。241〜250まで(12区切りの最後の余り10個)のことを考えないといけません。

表にしてみましょう!

 

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 本当は252までが12周期としての区切りですが、今回はNは250までなので、この区切りではN=2Cとなるのは4個です。

 

以上から答えは100+4=104個

 

 

 

(4)

 

AーB=15となるNの数を求める。

これも実は先の表が役立ちます。 12ごとに区切って書いてみましょう。

 

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一見ややこしいリズムですが、明らかに一定のペースが存在します

12区切りの表で言うと

3列目、6列目、7列目、9〜12列目(青い四角部分)

の7個が同じ値となることがわかります。

ここに注目して考えましょう。

 

上図より

12区切りの1セット目でAーB=1となるのは7個。

12区切りの2セット目でAーB=2となるのも7個。

つまり

12区切りの15セット目でAーB=15となるのも7個です!

 

さあ、次は上図の赤枠に着目しましょう。12区切りの表の

1列目、2列目、4列目、5列目、8列目です。

これは青枠より1小さい数ですね!これに着目すると・・・

 

12区切りのセット目でAーB=となるは5個。

12区切りのセット目でA-B=となるのは5個。

 

・・・ということは!!

12区切りの16セット目でA-B=15となるのは5個です!

 

以上より、7+5=12個

 

さて、あとはその中で最小、最大の数を調べましょう。

12区切りの15セット目の3列目が最小。

12区切りの16セット目の8列目が最大となります。

 

15セット目は12×15=180より、169〜180の12個です。

その3列目は171(最小の数)

 

16セット目は12×16=192より、181〜192の12個です。

その8列目は188(最大の数)

 

 

【解き終わって思うこと】

計算問題以外の文章題は公式がパッと使えないものが多いため、皆さんを悩ませるでしょう。でも、絶対に焦らないでください。算数・数学はスピードを優先して手を動かすと失敗します

 

前半(1)(2)は集合の問題と思わせて、後半(3)(4)はがっつり規則性の分析が必要になりました。

 

numastudy.hatenablog.com

 

今回はN、A、Bといろんな数がありましたが、実はDというAとBの最小公倍数の要素が隠れていると気づくことが大切でしたね。

そして、これらの数は皆「倍数」という共通点があるので、実は最小公倍数(12)ごとに区切ってコンパクトに考えることができます。

 

多くの要素が登場するこういった問題は、必ずそれらの共通点を意識して表や図にしてみましょう!

 

結局最後は少し泥臭い表になってしまいますが、スマートに解く必要はありません笑。

コツコツ解いていきましょう!

 

 

それでは!