「△ABC≡△DEF」
この表現、いわずもがな合同ですよね!
今回はこの「≡」を使って整数問題を楽に考えていきます。知っている方は多いですが、意外と浸透していないのでもったいなと思った次第でございます。布教します!フランシスコ≡ザビエルっす(意味不明)。
目次
合同式を使うのは「余り」の問題
センター数学ⅠAでよく出てくる「○の余りを求めなさい」系の問題で使います。
例えばこんな問題
(1)171を11で割った余りを答えなさい。
(2)2020を11で割った余りを答えなさい。
(3)171×2020を11で割った余りを答えなさい。
センター数学だと、おそらく素因数分解させると思います。
171を素因数分解すると
171=3×3×19
はい、ここで合同式を使います!
どうするかというと、各素因数をそれぞれ11で割った余りに置き換えるのです。
3≡3(mod11)
この式の意味は「3を11で割った余りは3」です。19も同様に
19≡8(mod11)
この式の意味は「19を11で割った余りは8」。もっと正確に言うと、「3を11で割った余りは8を11で割った余りと等しい。」と言う意味です。ちょっとややこしい言い方ですね笑。でも、この考え方が次に生かされます!
「≡」が役立つのは、ここからです。
3×3×19
≡3×3×8(mod11)
≡24×3(mod11)
≡2×3(mod11)
≡6(mod11)
よって、171を11で割った余りは6。
・・・ん?今何が起きた!?
合同式は積の答えにも適用できる
合同式は積の一部の項にも適用できるため、好きな項と項をかけ算して、その結果に対して合同式を適用していけば、大きな数の割り算をしないで答えの余りを出すことができます!
(1)
3×3×19
≡3×3×8(mod11)
≡24×3(mod11)
≡2×3(mod11)
≡6(mod11)
上記の場合だと、途中の計算で先に「3×8」から計算して余り2を出しました。
では、
(2)2020を11で割った余りを答えなさい。
(3)171×2020を11で割った余りを答えなさい。
を解いていきましょう。
(2)も(1)と同様、センター数学なら素因数分解させてくると思われます。
2020=2×2×5×101
より、
2020
≡2×2×5×2(101を11で割った余りは2)
≡20×2(mod11)
≡9×2(mod11)
≡18(mod11)
≡7(mod11)
よって余りは7と求められます。
合同式は和と差にも利用可能
合同式は余りを使った計算なので、当然和と差にも適用できます。
例えば次の問題、
(4)171+2020を11で割った余りを答えなさい。
171+2020
≡6+7(mod11)
≡13(mod11)
≡2(mod11)
よって余りは2。
こうして簡単な足し算問題にすり替えて計算できます。
(※除法だとストレートに使えないので、避けるのがオススメ!)
証明問題を瞬殺
以上が合同式の基本的な使い方ですが、本当に便利なのは証明問題です。
もはや反則級のスピードで問題を片付けられます。
(5)
これは3で割った余りについての問題なので、mod3を使います。
証明は以下のような流れ。
終了!!!
ちょろいもんっす笑。
こんな感じで合同式を使うだけで場合分け、計算も簡単になります。
たとえ学校であまりやらなかったかったとしても、ガッツリ参考書には書いています!
ぜひぜひマスターして、回答速度を爆上げしましょう。
それでは。
高校数学は「青チャート」が一押しです。